【譲渡企業】老舗温泉旅館の事業承継

おもてなしを「次」へつなぐ

譲渡側
株式会社瑞光(岩手県)
前社長 間瀬 信康様

江戸時代から続く由緒ある温泉旅館

瑞光

<旅館の沿革を教えてください>
私の妻のご先祖が、江戸時代に南部藩主からつなぎ温泉の湯守りに任命されたのが由来で、戦前には現在地で旅館業を営んでいました。 その後、1988年に建物を新築して四季亭を開業しました。
開業当初はバブルの好景気もあり大変な盛況で「星を仰いで宿に出て、月を背負いて家路を辿る」生活を1年365日続けていました。 しかし、バブルが崩壊し1991年をピークに徐々に客足が減少するようになりました。
2000年以降はインターネットが普及し、それまでのリアルエージェント経由の団体客から、OTA経由の個人客に旅行スタイルが変化していきました。当社はネットへの対応が遅れたので不安を感じたこともありましたが、経営方針である「旅心を満足させるキメこまやかな温かいおもてなし」を徹底したことで、ネットの口コミで高い評価をいただくことができました。

継がせたくない・継がせられない

<事業承継を考えたのはいつ頃ですか>
小さな旅館では、経営者はどうしても長時間労働になりがちですし、おもてなしの心配りやお客様一人ひとりへの気配り、従業員への目配りなどを考えると、自分の子供たちには継がせたくない・継がせられないという思いが強くあり、家族も同意してくれていました。
3年位前からメイン取引銀行に相談し、実際に動き出すまでに1年位かかりました。

「ご縁」を感じる出会い

<M&Aの交渉はいかがでしたか>
コロナ禍でのお相手探しだったので多少時間がかかるのではと思っていましたが、県内の有名企業でホテル経営のノウハウを持つお相手が早々に見つかり安堵しました。
トップ面談の日は当社の開業記念日でもあり「ご縁」を感じました。
一方で、従業員に情報が漏れてしまわないように神経を使いました。提出資料の準備などはAOBAさんに手伝ってもらいとても助かりました。

最大のポイントは信頼関係

<M&A成立のポイントを教えてください>
岩手県北自動車さんには、終始、紳士的に対応していただき、地元温泉街との協調を心がけるとの言葉に不安はありませんでした。信頼関係を築くことができたのが成立のポイントだと思います。
従業員の頑張りやおもてなしの心、業績を評価していただいたのが何より嬉しかった。
大手グループ傘下に入る安心感も要因のひとつです。
譲渡後に挨拶に伺った同業者や関係者から、口々に「おめでとう」と言ってもらえました。

分かりやすくて利用しやすい手数料

<AOBAの対応はいかがでしたか?>
メイン取引銀行の紹介ということもあり信用していましたし、きちんと丁寧に対応してもらいました。
メイン取引銀行や経営コンサル会社に説明に行く際にも一緒に来てくれるなど、AOBAさんのサポートは心強く感じました。
大手のM&A会社に比べて、手数料も利用しやすい水準でした。

新たな「四季亭」に期待

<M&A後について教えてください>
譲渡後に顧問として引継ぎをしましたが、それも無事に終えることができました。
ホームページをリニューアルして予約はいっぱいでした。新しい女将さんは一生懸命で ますます繁盛するのではないでしょうか。
宮古盛岡横断道路も開通したので、関連する浄土ヶ浜パークホテルと協力して、岩手県沿岸部と内陸部の周遊観光ルートを開拓できると良いですね。私自身はしばらくゆっくりして、好きな農園づくりでも始めてみようと思います。
読みたい本がたくさんあるので晴耕雨読の生活が夢です。

信頼できる専門家に早めの相談を

<後継者不在や事業承継に悩む経営者にアドバイスをお願いします>
ひとりで悩まずに、早めに信頼できる身近な金融機関に相談することをお勧めします。
私の知人にはAOBAさんの名刺のコピーを渡してあるので、そのうち電話があるかもしれませんね。ぜひ相談に乗ってあげてください。

AOBAより

AOBAの口コミまでありがとうございます。歴史ある温泉旅館は地域の財産です。その財産と従業員のみなさんの雇用を引き継ぐお手伝いができて本当に良かったです。本日はどうもありがとうございました。