【譲受企業】精密板金加工業の事業承継

M&Aを新たなビジネスの
チャンスに


譲受側
株式会社理工電気(岩手県)
代表取締役社長 崎山 淳史様

電子部品生産事業の事業承継案件

製造業を取り巻く変化を乗り越えて

理工電気様

<御社の沿革を教えてください>
私の父が1976年10月に設立し、岩手県大船渡に工場を構えたのが始まりです。
当初は電子部品の組み立てが主たる事業で、受託生産業務の拡張に合わせて、治具や各種部品の加工と自動組み立て機、検査装置の設計製作を手掛けるようになりました。電子部品の組み立てをしていたからか、当社は女性従業員が多いのが特徴です。
2005年11月に私が事業を引き継いで社長になりました。
取引先の製造拠点が海外に移転していた頃であり、新規取引先の開拓と業態転換に取り組んでいましたが、2011年に東日本大震災があり、旧本社工場が津波の被害を受け建物も中にあった機械もほとんどがダメになりました。一時は、事業自体がどうなるか心配でしたが、沢山の方からご支援をいただき、もう一度立ち上がることができました。

多くの方々に支えられて

<大変なご苦労があったと思います>
経営を引き継いだ時、地元に事業で貢献したいという父の想いも引き継いだので、大変な状況だからこそ復興を果たして地元を元気にしたいと思いました。
創業以来、苦楽を共にした従業員の皆さんも同じ災害にあって大変な状況に置かれていましたので、何としてでも従業員の皆さんの雇用を守り、生活再建の礎にならなければと強く思いました。
お取引先様や地元の人たち、商工会や地元金融機関など、本当に多くの方々に支えられて工場を移転新設し機械を新しく購入して、やっとここまで来た感じです。

「ご縁」を感じる出会い

<M&Aのきっかけを教えてください>
以前から、事業の発展とリスク分散にM&Aは有効だと考えていましたが、良いタイミングで良い案件に巡り合えたことが今回のM&A成立の一番の要因です。
津波による被災も経験しているので、地域を分散する意味合いもあります。
AOBAさんから今回の件を提案されたときは「ご縁」を感じました。事業の細かいところまで熱心に説明をする姿から、ヒキチの事業を承継させたいとの思いが強く伝わってきました。

将来のシナジーと感謝の気持ち

<成立のポイントを教えてください>
提案を受けたときから、弊社が得意とする分野とヒキチが得意とする分野を掛け合わせることで加工の範囲が広がる可能性を感じ、手を組みたいと思いました。
トップ面談と工場見学を経て、ヒキチの熊谷社長や従業員のみなさんとは楽しく良い仕事ができる、もっと会社を大きくできると確信しました。スタートから約4カ月で最終契約まで順調に進むことができたのは、製造業に対する想いとビジネスに対する方向性がぴったり合ったからだと思います。曳地会長、熊谷社長、従業員のみなさんには感謝しかありません。

「着手金なし」が検討の後押し

<AOBAの対応はいかがでしたか?>
仙台から何度も足を運んでもらい細かいところまで相談に乗ってくれました。
隣県の同業者という絶妙なお相手を紹介してもらい、難しい意思決定を不安なく進めることができたのは、AOBAさんの存在が大きかったと思います。
着手金がなかったことも、初期段階で前向きに検討する後押しになりました。

PMIはコミュニケーションから

理工電気様代表

<M&A後について教えてください>
毎週1回はヒキチに出社して、現場を知ることを心がけています。
コロナ禍で懇親会が開催できないので、お互いを知る機会として従業員のみなさんと個別に面談したり、部門ごとのミーティングを実施したり、コミュニケーションを増やすようにしています。
また、老朽化した休憩室の内装工事やトイレの改修工事を行い、気持ちよく働いてもらえる環境づくりを心がけています。
それぞれの取引先に両社の営業が同行訪問することで、今までできなかった提案ができるようになりました。両社が協力してビジネスの幅を広げ、東北の製造業を盛り上げていきたいと思います。

AOBAから

今後、両社の事業が成長する過程では、グループ会社のヒューレックスで人材の採用についてもお役に立ちたいと思います。本日はどうもありがとうございました。